ふつうの結婚 6 〜Mr&Mrs AKABANE〜
赤屍夫婦の喧嘩がもっとも苛烈なるのは自宅である。
客室からライフル。玄関からはダイナマイト。キャビネットからは無数のポイズンバヒューム。本棚からは新品のメス。風呂場からはサバイバルナイフ。トイレからは赤い剣など。お互い己のテリトリー内のために武器の補充はやり放題。よって香水も刃物もその他武器も雨あられ飛び交い放題。
いつものように熾烈な戦いは、今日はいつもと違った展開を見せていた。
2人はまっすぐに対峙している。
「どうしたの?さっさとそのご自慢のメスで私の喉をかっ切ったら?」
赤屍のメスは卑弥呼の喉にピッタリとついている。
「貴女こそ、早く赤死香の蓋を開けたらどうなんです?」
卑弥呼の赤死香も赤屍の顔のすぐ傍にある。
「ほら、さっさと」
「貴女こそ」
「早く…」
「……出来ませんよ」
すっとメスが消える。
「やりたければ、どうぞご自由に?」
卑弥呼は一瞬戸惑う。そしてきつく赤屍を睨みつける。
「……っ」
悔しげに眉をひそめて赤屍のネクタイを掴む。くんっと思いっきり引っ張り赤屍の顔を引き寄せて、噛みつくように唇にキスをする。
「…なんて面倒な男」
口づけた後にぽつりと呟いた言葉に赤屍はクスッと笑って、卑弥呼の顎をそっと掴んだ。
と同時に赤屍家の庭に無数の銃弾が落ちた。
それは運び屋と奪い屋の組織が、夫婦の敵に回った合図であった。
「えぇー!あの時、無限城にILを届けたのはアンタだったの?」
「あの時メロンを奪ったのは貴方がたでしたか」
卑弥呼はバイク。赤屍はそのバイクのサイドカー)。
2人は追跡者に、火やメスやら爆弾やら撒き散らしながら楽しく「今だから言える実はあの時話」に花を咲かせていた。
「そういえばさ…結婚式で来てたアンタの親って本物?」
「偽者です。金で雇った役者ですよ」
「やっぱりぃぃ!!ドラマにでてたあの人!?ちぃぃっ。サイン貰っておけば後で売りさばけたわ!…って何よその顔?」
「…いえ奥さんの大変しっかりした経済感覚に、心底感心しただけです」
「ふっうーん?あっこれあんたの座席の下に入っている銃に装填しといて」
ポイッと銃弾を投げ渡す。
「コレは?」
「中にバヒュームが入っている特注弾。入っているのは死蟲香。ほら夏に家の中に虫が大量発生した時に使った蟲滅香のパワーアップバージョン」
「…たしか蟲滅香の副作用は」
「そうインポよね。だからグレードアップバージョンは…」
魔女はニヤリと妖艶に笑う。
「アレが腐って、落ちる」
赤屍は何かの中心が縮こまった。
生まれ来て初めての経験である。
卑弥呼は「いやー殺さずして、敵に徹底的にダメージを与えるお利口さんなのよ。重宝、重宝!」とケラケラ笑っている。
旦那は仕事のパートナーのノーブレーキの言っていた、レディポイズンのもう一つの名前は「恐怖の魔女」だという言葉を思い出す。なるほど、こういう意味でしたか…。
「…ところで卑弥呼さん」
「うん?」
「貴女はこれまで、どれくらいの人間を殺してきましたか?」
「うんー。アンタはー?」
「私ですか。そうですね…――800人前後といったところでしょうか。運び屋をやって長いものですから」
「あたしは2000くらいかな。殺ったの」
「………………………………two thousand people?」
truly??
思わず動揺のあまり英語変換の屍。
「あんまり褒められたもんじゃないけどねぇ。あんたと出会う前は世界中飛び回って奪い屋やってたんだけどさ。その時うっかりある国の首都ふっ飛ばしかけたのよね。あたしも若かったわー。」
「………(あれは卑弥呼さんでしたか……)」
「ほら来るわよ!何ボサッとしてんのよ!!」
「いえ…色々と立て直すものがありまして」
しかし若かったの一言で殺されるのはあんまりですよね。と自分だってあんまりな存在なくせに赤屍は思う。
つらつらと考えながら、、後ろから迫り来る敵にメスを浴びせる。卑弥呼も運転しながら器用に体をねじって銃を撃つ。
赤屍は後ろを向きながら「そうそう卑弥呼さん最後に」と口を開く。
「実は馬車さんは私の昔の男です」
ドンッッッ。
バイクが前の車に突っ込んだ。
「マジぃぃぃぃぃいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
辺境地の気安さのやりたい放題(やりすぎです)
赤屍さんのお父さん役はこないだやってた
「奥様は魔女」で魔女の旦那役の父役にでも来てもらおうか
と思ったら日本語版は出てないようで。原作ではいたはずなのになぁ(悔)
出したいネタはこれで終了。ということでしばらく更新のめどがございません。
どうしよう、完結してね☆(死ね)